急速充電のPDとQCの違い|スマホで選ぶ充電器が変わる

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充電器を買おうとしたら「PD対応」「QC3.0対応」と書いてあって、どちらを選べばいいか迷いますよね。PDとQCはどちらも急速充電の規格ですが、決めた会社と、対応しているスマホが違います。急速充電のPDとQCの違いと、自分のスマホに合う充電器の選び方を、数字を使って紹介します。

急速充電のPDとQCは「決めたところ」が違う

USB PD対応の急速充電器

PDはUSBの規格を決めている団体が作った共通の急速充電で、QCはスマホ用チップの会社クアルコムが作った急速充電です。どちらも、ふつうの充電より高い電圧をかけて、短い時間で多くの電気を送る仕組みは同じです。

PDの正式な名前は「USB Power Delivery」。USBの規格を決めているUSB-IFという団体が作ったので、メーカーを問わず使われています。iPhone、iPad、MacBook、Pixel、Galaxy、Nintendo Switchなど、USB-Cで充電する機器の多くがPDに対応しています。

QCの正式な名前は「Quick Charge」。クアルコムのSnapdragonというチップを積んだAndroidスマホ向けに作られました。iPhoneはQCに対応していません。

充電の速さはW(ワット)で表します。W=V(電圧)×A(電流)です。ふつうのUSB充電は5V×1Aで5W。急速充電は、この電圧や電流を上げてWを大きくしています。

PDとQCの違いを数字で比べた早見表

数字で比べると、PDはノートPCまで充電できる最大240W、QCはスマホ向けの18W前後が中心です。ただし最大の数字は規格の上限で、実際に出るWは充電器とスマホによって変わります。

項目 USB PD Quick Charge
作ったところ USB-IF(USBの規格団体) クアルコム
差し口 USB-C USB-AとUSB-Cの両方
電圧 5V、9V、15V、20V(拡張で48Vまで) QC2.0は5V、9V、12V。QC3.0は3.6〜20Vを細かく変える
最大の出力 100W(拡張で240W) QC3.0は18W前後。QC5は100W超
iPhone 急速充電できる 急速充電できない
主な対象 スマホ、タブレット、ノートPC、ゲーム機 Snapdragonを積んだAndroidスマホ

PDには「PPS」という追加の仕組みもあります。PPSは電圧を20mVずつ細かく変えられるので、スマホの電池が熱くなりにくくなります。GalaxyやPixelの急速充電は、このPPSに対応した充電器で速く充電できます。

QCはバージョンによってPDの充電器でも急速充電できる

Quick Charge 3.0対応の急速充電器

QC4とQC4+、QC5はPDとの互換性があるので、PDの充電器でも急速充電できます。反対に、QC3.0までのスマホはPDとは別の仕組みなので、PDだけの充電器ではふつうの速さになることがあります。

  • QC1.0は5V×2Aで最大10W
  • QC2.0は5V、9V、12Vを切り替えて最大18W
  • QC3.0は3.6〜20Vを0.2Vずつ変えて最大18W前後
  • QC4とQC4+はPDと互換性あり
  • QC5はPDと互換性があり、100Wを超える出力に対応

QC3.0の充電器はUSB-Aの差し口が多いのも特徴です。USB-AからUSB-Cにつなぐケーブルでは、PDの急速充電はできません。PDで充電したいなら、充電器もケーブルもUSB-Cの差し口でそろえておくと迷いません。

QCに対応していないスマホをQCの充電器につなぐと、ふつうの5Vの充電になります。壊れることはありませんが、充電は遅くなります。

自分のスマホがPDかQCか確かめる3ステップ

いちばん確実なのは、スマホのメーカーの仕様ページで「USB PD」か「Quick Charge」の表記と、最大の充電Wを見ることです。箱や説明書に書いてあることもあります。

  1. スマホの機種名を調べる(設定アプリの「端末情報」や「一般」から見られます)
  2. メーカーの公式サイトで、その機種の仕様ページを開く
  3. 「充電」や「バッテリー」の欄で、USB PD、PPS、Quick Chargeの表記と最大のWを見る

iPhoneは、AppleのサポートページでUSB-PDに対応した電源アダプタを使うよう案内されています。iPhone 12以降は20W以上のアダプタで、約30分で最大50%まで充電できます。iPhone 17やiPhone 17 Proは40W以上のアダプタで、約20分で最大50%と案内されています。

PDとQCどちらの急速充電器を買うかはスマホで決まる

PDとQCの両方に対応した急速充電器

iPhoneと最近のAndroidならPDの充電器、QC3.0までの古いAndroidならQC対応の充電器を選びましょう。迷ったときは、PDとQCの両方に対応した充電器を選ぶと、つないだスマホに合わせて自動で切り替わります。

使っている機器 選ぶ急速充電器 Wの目安
iPhone USB-CのPD充電器 20W以上(iPhone 17シリーズは40W以上)
GalaxyやPixel PPS対応のPD充電器 25〜45W
QC3.0までのAndroid QC3.0対応の充電器 18W
ノートPCも充電したい USB-CのPD充電器 65W以上

家族でiPhoneとAndroidを使い分けているなら、USB-CとUSB-Aの差し口が両方ある、PDとQCの両対応の充電器が1台あると便利です。ただし、差し口を2つ同時に使うと1つあたりのWが下がる充電器が多いので、仕様の「同時使用時」の出力も見ておきましょう。

PDの急速充電にならないときはケーブルと組み合わせを見直す

充電器がPD対応でも急速充電にならないときは、ケーブルを疑うのがおすすめです。充電の速さは、充電器、ケーブル、スマホのうち、いちばん低いものに合わせて決まります。

  • ふつうのUSB-Cケーブルは3Aまでで、流せるのは最大60Wです
  • 100Wで充電したいときは、5A対応でeマーカーという部品が入ったケーブルが必要です
  • 240Wの拡張に使うときは、240W対応と書かれたケーブルが必要です
  • USB-AからUSB-Cのケーブルでは、PDの急速充電はできません

スマホだけなら、3AのUSB-Cケーブルでほとんど困りません。急速充電にならないときは、次の順番で見直すと原因が見つかりやすいです。

  1. ケーブルをUSB-C同士の別のケーブルに替えてみる
  2. 充電器の差し口がUSB-Cか、PDの表記がある差し口かを見る
  3. スマホが熱くなっていないかを見る(熱いと急速充電が止まることがあります)
  4. 充電中に動画やゲームを使っていないかを見る

モバイルバッテリーで急速充電したいときも同じです。バッテリー側の出力がPDやQCに対応しているか、何Wまで出せるかを仕様で見てください。

PDとQCで迷ったらUSB-CのPD充電器から選べばいい

今からスマホの急速充電器を買うなら、まずUSB-CのPD充電器を選んでおけば大きく外れません。iPhoneにもPixelやGalaxyにも使えて、QC4以降のスマホでも急速充電できるからです。

QC3.0までのAndroidを使っている人だけは、QC対応か、PDとQCの両対応の充電器を選んでください。買う前に、自分のスマホの仕様ページで「USB PD」か「Quick Charge」の表記と最大のWを見ておけば、充電器選びで迷う時間は短くなります。

この記事のアドバイザー
あすみ
スマホとPC周りのガジェットを10年以上追いかけているレビュアー。充電器やイヤホン、デスク周りの小物は自分で買って試してから書きます。「安くても使い勝手が悪いものは勧めない」が決まり。
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